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『ガラスの使徒』 金守珍監督インタビュー【1】

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garasu1名演小劇場にて公開中の『ガラスの使徒』

主人公葉子(佐藤めぐみ)と
伝説のレンズ研磨職人池谷(唐十郎)と
工場専務洋次郎(稲荷卓央)と
整理屋平手(山田純大)と
ネオン街の女あざみ(余貴美子)の
不思議な絆の物語です。

…でもどちらかといえば、不思議な、というより「この人達どーなってんのー!?」という物語。

さて映画を観る時に、登場人物に対して「この人はどんな人なんだろう」と思うことはありませんか。そしてエンドロールまでにその登場人物達と仲良くなれると、「観て良かったなあ」という気持ちになって、映画館を出てくることができたりするってありませんか。

「彼らは誰なんだろう」

それがもっと知りたいので、登場人物と演じておられる俳優さんについてお聞きしたいと思っています…インタビューの時間としていただいた30分間に、用意していった質問は実はたったのこれ一つきり。

そんな具合で始まったインタビューと調子はずれの聞き手でしたが、前作『夜を賭けて』でも出演者のほとんどをオーディションで決めたという逸話を持つ金監督。佐藤めぐみさんが『ガラスの使徒』の主演を射止めたいきさつについても、かなり突っ込んだお話を聞かせてくださいました。


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ー葉子を演じておられた、主演の佐藤めぐみさんについて教えてください。

金監督:そうですね、まだ磨きかかっていないレンズのような人で、こちらが丹誠込めて愛情込めて磨いたら、素晴らしい女優さんになるだろうと。

オーディションだったんですよ。

で、いろんな女優さんと面接しまして。まずやっぱり、レンズの話なんでね、彼女の目が大好きになって。それで話していると、すごく明るいんですけど、その中に暗さを持ってて。彼女の私生活を含めてね、健気にすごく背伸びしてる感じがしたんですね。

僕も監督として新人ですし、やっぱりこう、有名女優さんが来ると僕のやりたいことができんのかなっていうのはあるんですよ。つまり興行としては有名女優さん、有名俳優さんが来ることで、もう興行やビデオやなんとかはすごくやりやすい。

でもそれが与えられちゃった時に、何か、出来上がったものを用意してもつまんないじゃないですか。僕が未知なる経験をしていかないと、自分自身がプライドを持って仕事ができないっていうのもあって。

だから、オーディションを無理矢理お願いしたんですね。本当はもう名のある女優さん達に台本をお願いしてお渡して。

ーえっ、そうなんですか!

金監督:最初は僕も、それでもいいかなと思ったんです。ただやっぱり「この台本(ホン)が分からない」とか。「台本(ホン)が分からない」っていうのが多かったですね。事務所に持っていく前にマネージャーさんが読んで、「台本(ホン)が分かんない」って(笑)、難しくて。それに、少しまだちょっと、女優として脱いだり何だりっていう危ないシーンもありましたんで、要は「やらせらんない」とか、やっぱりその辺が・・・。

だったら、「これはそうだろうな」と。そういうスターさん達が読んでも分かんないだろうな、いやいや、分からないけど!僕が分かって、それを伝えることでね、一緒にやれる人?うん、全部任してくれる人。それが条件だったんです。全部、監督に委ねると。

彼女を選んだのはそれが大きいし、本当に、女優として磨いてくださいっていう。まさに僕がレンズ職人になってね、佐藤めぐみっていう女優を磨いていけんだなと。


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金監督:条件として、彼女に稽古期間を下さいって言ったんです。撮影入る前に。それで、舞台の稽古をさせたんですよ。「ロミオとジュリエット」。膨大なセリフがあるんですよね、バルコニーのシーンで。「おおロミオ、なんであなたはロミオなの、お父様とは無関係、自分の名は自分の名ではないとおっしゃってください・・・」あと、うわーってさ。一言で言えばいいのにさ、うわーって言うわけですよね。そのエネルギーがないと、彼女がやる役はできないよというのがあった。

見事にやってくれましたね。

これは「どっかのオーディション行ってこれやったら、絶対受かるよ」っていうくらい。

で、案の定セカチュー(※1)の舞台版で彼女は主役を射止めるんです。そこでロミオとジュリエットのシーンをやるんですけど、僕とやったものをそのままやってくれた。うれしいんですよ。

それに「花より男子」(※2)でも彼女は素晴らしい演技をしてますよ。

だからそういう意味では、磨かれていく女優さんだなと。いろいろな人の目にさらされて。今は僕の手を離れたわけですけど、覚悟はしていますね。我が娘のように。



映画の中の葉子・佐藤めぐみさんは、伝説のレンズ職人や、ちょっと情けない想い人の専務や、コワイ整理屋や解体屋の皆さんと凛々しく渡り合うチャーミングで清々しい女性として描かれていました。あと、かなり一途な…。それは「うわーっていうエネルギー」をしっかりと引き出された「女優・佐藤めぐみ」が、スクリーンの中で生き生きとその力を発揮しているからなのかもしれません。そして金監督が最後に少しだけおっしゃった、レンズ研磨職人(=映画監督?)としての「覚悟はしていますね」と「うれしいんですよ」の言葉。これは、次にお聞きした「演出家・唐十郎」のお話につながるものでもありました。

次回、「金監督インタビュー第2弾・唐十郎さんについて」

乞うご期待!

※1

舞台版『世界の中心で、愛をさけぶ』(05年8月)

公式HP:TBS舞台『世界の中心で、愛をさけぶ』

公式ブログ:舞台「世界の中心で、愛をさけぶ』オフィシャルブログ

※2

TBSドラマ「花より男子」(05年10月〜12月放映)

公式HP:TBSドラマ『花より男子』



c佐藤めぐみ

1984年東京都生まれ。TBS『3年B組金八先生PartⅡ』(01/TBS)の赤嶺繭子役を好演し、注目を集める中、「日テレジェニック2002」に選ばれ大きな話題を呼ぶ。その後ドラマでは『砂の器』(04/TBS)、『H2〜君といた日々〜』(05/TBS)、映画では『ウィニングパス』(04)、『銀のエンゼル』(04)、『恋は五、七、五!』(05)と話題作に出演。05年は舞台『世界の中心で愛をさけぶ』の亜紀役に抜擢され、映画『天使』『ピーナッツ』(ともに06年公開予定)が待機中。爽やかさを持ちながら、目に力と魅力を秘めた演技が評判。今後がもっとも期待される新人女優のひとりである。※〜『ガラスの使徒』プレスより抜粋〜

関連リンク:

『ガラスの使徒』公式サイト

『ガラスの使徒』公式ブログ

『夜を賭けて』公式サイト

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