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『歩いても 歩いても』来名キャンペーンレポート

Aruitemoaruitemoomote いよいよ今週末より公開予定の『歩いても 歩いても』。カンヌ映画祭最優秀男優賞を『誰も知らない』で受賞した是枝裕和監督の最新作!成人して家を離れた子供たちと老夫婦の一日を辿るホーム・ドラマがついに名演劇場に登場です。

『人生は、いつもちょっとだけ間にあわない』

そんな事を思ったことはありませんか?



Kantoku5_2 『「何もしてやれなかったなぁ」という後悔からこの映画は出発している。だからこそ逆に、明るい映画にしたいと強く思った』と綴る是枝監督の作品は、ある家族の一日を丁寧に描いた作品です。





Aruitemo2_2 ある夏の日。

横山良多は妻と息子を連れて実家を訪れた。開業医だった父とそりのあわない良多は失業中のこともあり、ひさびさの帰郷も気が重い。明るい姉の一家も来て老いた両親の家には久しぶりに笑い声が響く。得意料理をつぎつぎにこしらえる母と、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。ありふれた家族の風景だが、今日は15年前に亡くなった横山家の長男の命日だった。

跡継ぎにと期待した長男に先立たれた父の無念、母の痛み。優秀だった兄といつも比べられてきた良多の、父への反発心。姉は、持ち前の明るさで器用に家族のあいだをとりもつが、子連れで再婚して日の浅い良多の妻は、緊張で気疲れする。

そんな中、良多はささいなきっかけから、親の老いを実感する。ふと口にした約束は果たされず、小さな胸騒ぎは見過ごされる。人生は、いつもちょっとだけ間に合わないことに満ちているのだ。

『歩いても 歩いても』プレスよりあらすじを抜粋)




Abesan3 本作に登場するキャストの方々も贅沢な面々が揃いました。主人公でもある横山良多を演じるのは、『チーム・バチスタの栄光』『隠し砦の三悪人』など次々と話題作に出演した阿部寛さん。40代になっても父親へのコンプレックスを克服できずにいる平凡な男を演じています。彼の妻を演じるのは、是枝監督作品では『ディスタンス』『花よりもなほ』に続き三作品目の出演となる夏川結衣さん。そして、横山家の台所を取り仕切る母親役には、『下妻物語』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』などでの熱演が記憶に新しい樹木希林さん。引退した医者であり、家長としての威厳を保ち続ける父親を演じているのは『亡国のイージス』『どろろ』などに出演した原田芳雄さん。さらに、『誰も知らない』で本格的映画初出演を果たしたYOUさんが、良多の姉を演じています。

特別な事件が起きるわけではないけれど、誰もが自分自身の家族の物語を重ね合わさずにはいられないストーリー。監督の家族に対する温かい眼差しが感じられる本作は、フィクションではあるけれど、そうとは思えないリアリティが滲み出ています。

Futari2 この作品のキャンペーンで、是枝裕和監督と主演の阿部寛さんが名古屋へいらっしゃいました。今回はその時の様子を少しだけレポートします!



Kantoku3_2 ホーム・ドラマということで家の中が主な舞台になる本作ですが、監督の口からは意外にもこんな言葉が飛び出しました。「最初は持つのか?と思っていたけれど、やり始めたらいろんなことが出来ることがわかりました。洗面所や台所、場所と人の組み合わせで色々ね。」老夫婦の住む家ということで、昭和の懐かしい香りと平成の新しい電化製品が混在していて、こういう家あるなぁ…と思わせるたたずまいは、映画スタッフの方々のこだわりが感じられます。Kantoku6_2 「家族の話って面白いのか?と思っていたけれど、いろんな事ができましたね。現場の中で変えることもありましたけど…直前に色々変えるから、夏川さんからは『今度やったら絶交』(笑)と言われたりもしましたけど。」と撮影現場での様子も楽しく話してくれました。

Abesan1 阿部さんを良多役に抜擢したのは、「たまたまテレビのバラエティ番組を見ていたらその番組に阿部さんが出ていたんです。阿部さんとチンパンジーが絡むシーンがあって、チンパンジーにやられている場面を見て『阿部寛しかいない!』と思い、次の日にはオファーしていました。」と面白いキャスティングの理由を教えてくれました。阿部さんは「後からこのことを聞いて『出れて良かった!』と、思いましたね。」と笑いながら答えてくれました。

Abesan2 失業中、そして子連れの女性と再婚したばかりの40歳の男を演じた阿部さんは、「この役柄を難しいと思うことはなかったです。事前の本読みもあったのでスムーズに役には入っていけました。」と語ってくれました。更に「本読みの時、樹木さんとYOUさんは既に親子になっていて(笑)、比較的早く家族の設定になりましたね。女性陣が強いという設定ですが、この作品の女優さんたちも本当によく喋る人たちで・・・」と、現場での雰囲気も続けて教えてくれました。

「『ある一日』という設定ですが、撮影にかかったのは一ヶ月半です。その間、子供たちは撮影の合間に蝉を取ったり、夏川さんが宿題を教えだしたりして…映画のように僕と子供との距離感はあいていきましたね(笑)」と、まるで映画のワンシーンのような様子が想像できます。実際、この映画に登場するキャストの方々は、待ち時間にはスタジオの庭のパラソルの下に集まり、和気あいあいと過ごしたそうです。

そんな中、原田芳雄さんだけ少しの待ち時間でもひとりだけ控え室に帰っていったそうです。それは、この作品の役柄を演じきるため、わざとみんなに溶け込まないようにしたのだとか。さすが!役者さんとしてのプロ根性が伺えます。


Futari3 劇中には、魅力的な夏の家庭料理も次々に登場します。ミョウガ「ザクッザクッ」と切る音、枝豆の水切りをする「シャッシャッシャッ」という音、「スー、スー、スー」大根の皮を小気味良くむく音、そして、とうもろこしの掻き揚げを作る「パチッ、パチッ」とはねる音。どの音、どのシーンをとっても、思わずよだれがでてしまうほどの調理シーン。それもその筈、ひさびさに子供たちを出迎える母親は手際よく得意料理を次々にこしらえるのです。料理をしながらの会話は、「ある、ある」と頷けるほどの自然体。是非、これらの料理や会話にも注目して作品をお楽しみください!

『歩いても 歩いても』は、7月19日(土)より8月下旬まで上映予定です。初日、二日目には先着100名様にオリジナルポストカードをプレゼント。

横山家の一日に貴方の一日も重ね合わせてみませんか?




Aruitemoaruitemoomote_2 Aruitemoaruitemoura 監督・原作・脚本・編集:是枝裕和 
出演:阿部寛 夏川結衣 YOU 樹木希林 原田芳雄 高橋和也
2007年/日本/114分
配給:シネカノン





関連リンク:
『歩いても 歩いても』 公式サイト




文責:ホームページチーム・レイチェル

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