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『Beauty うつくしいもの』片岡孝太郎さん来名キャンペーンレポート【後編】

Beautytirashi2 前編に引き続き、片岡孝太郎さんが来名された際のインタビュー内容・後編をお届します。



10代から70代までの小椋半次役を演じた片岡さんですが、その役作りで苦労した点をいくつか教えてもらいました。「一週間位の間に幅広い年代層を演じましたが、例えば皺を一つとってもその皺ができた理由があるように、その人が歩んできた人生を想像しないといけない。特に晩年の半次についてはいろいろ考えさせられました。」と、年老いてからの半次についてはひときわ思い入れのあるご様子。

Ka3 さらに、「老いてからの特殊メイクは、映画界初の白塗りのメイクをしたんです。皺をかいたあとに白塗りをして、メイクするのに1時間もかかりました。そして、それを落とすのも大変でした。」と、晩年を演じた際の秘話も教えてくれました。なんでもメイクさんがアメリカのメイクさんにまで連絡を取り、白塗りの特殊メイクを造りだしたのだとか。メイクさんに「どんな調合をしてつくるんですか?」と尋ねたところ、「企業秘密と言われまして」と笑いを誘っていました。この映画界初!の白塗り特殊メイクにもぜひご注目ください。



役作では、「役になりきっていたら間違いではない、と祖父にたたきこまれましたから役作りをしていく上で、それが映画であろうと、舞台であろうと、歌舞伎であろうと僕にとってはそれほど差がありません。」とはっきりと答えてくれました。また、半次が村歌舞伎を引退する場面ありますが、「僕たち本歌舞伎の世界では、引退というのをやる方がいらっしゃらないんです。途中で廃業という形でお辞めになった方はいらっしゃいますが、体が動くまで生涯現役です。だから、半次が引退するシーンは自分がこれで舞えなくなる、芝居ができなくなる、ということを想像し、すごく複雑な気持になりました。」と、大切なシーンを振り返りました。「若いころは芸がなくても若さというパワーでやりきれますが、年をとってくると芸でみせれるようになります。そのバランスを考えつつ晩年の半次はパワーよりも、芸でみせる、味でみせる、ということをどこまでさせるか考えました。」片岡さんの半次役にこめる想いの強さが伝わってきます。



Ka2 一番印象に残っているシーンをお聞きした際には、シベリアの抑留シーンの撮影をあげ「霧ヶ峰で撮影しましたが、とても風景が綺麗でした。持参したデジカメでたくさん写真を撮りましたが、マイナス10度以下の世界は突き刺さる痛さでした。」とその時の様子を語ってくれました。「収容所のシーンだけは農協の冷凍庫を使ったんですが、冷凍庫の中にセットを作ったんです。ただ、冷凍庫のスイッチをいれると音がして録音ができない。結局冷凍庫を切らないといけないんです。そうすると冷凍庫の中はライトとかでだんだん温まってきて、逆に外の方が寒いんです。冷凍庫の中が暖かいので吐く息が白くならなくて、セリフを言う直前にお湯を飲んで喋っていました。」と、撮影時のエピソードも明かしてくれました。



さらに、相手役の桂木雪夫を演じた片岡愛之助さんとの面白いエピソードも。「愛之助君と二人で目をつけていた食堂に日本兵の格好をしたまま脱走しました。あまりにも寒いので暖かいものが食べたくて仕方がないんです。食堂に行って温かいいカレーを食べ、おばちゃんに勧められた牛乳も飲みました。それは、表現できないほどおいしかったですよ。」と、楽しいエピソードを聞かせてくれました。片岡愛之助さんについては、「普段から組むことが多いので、お互いあうんの呼吸で仕事ができます。また、知らない映画の世界で言えば分ってもらえ、相談できる相手がいたのは心強かったです。」と語っています。



Ka1 映画の中では、主人公の半次、相手役の雪夫、そして、麻生久美子さん演じる歌子の3人が中心となりストーリーがすすんでいきます。「3人は微妙な関係で…映画を観たお客様に判断はゆだねたいと思います。」と、最後に彼らの関係についてしめくくってくれました。



是非、村歌舞伎だけではなく、大鹿村の自然、そして彼ら3人の人間模様もご堪能ください。名演小劇場では、3月13日(金)まで『Beautyうつくしいもの』を上映しております。



関連リンク: 
『Beauty うつくしいもの』 公式サイト




文責:ホームページチーム・レイチェル



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