« 第3回東京国際映画祭7日目 | トップページ | 『サラの鍵』(ELLE S'APPELAIT SARAH) »

『僕の心の奥の文法』(Intimate Grammar)

I'm jumping.

I'm Aaroning...

コンペティション部門より、イスラエル映画の『僕の心の奥の文法』(Intimate Grammar)を鑑賞しました。

Img_2090

1963年から数年間を舞台に、イスラエルに暮らすアハロンという少年を取り巻く世界を描いた作品。つかの間の平和な時期を背景に展開される本作は、成長することをやめたアハロンの家族やその友達との関係を丁寧に、そして、思春期特有の繊細な心の揺れをとらえています。

Img_2073_2 

少年アハロンを演じたのは、ロイ・エルスベルグさん。怖くて個性的な母親を演じたのは、オルリ・ジルベルシャッツさん。今回は上映後のQ&Aに、監督であるニル・ベルグマン氏と母親役を演じたオルリ・ジルベルシャッツさんが登場してくれました。

前作『ブロークン・ウィング』(2002年)でベルグマン監督は第15回東京国際映画祭のグランプリを受賞していますが、今回も非常に感動的な作品を届けてくれました。本作は、デイビッド・グロスマンの原作『Intimate Grammar』を映画化したもので、監督自身小説を読み心動かされたとか。

ストーリーの鍵となるのが、タイトルにもある“ Grammar”。ヘブライ語には過去・現在・未来という時制しかないそうですが、英語には現在進行形などヘブライ語の概念にはない文法が登場します。その母国語にはない文法に興味をそそられるアハロン。彼は大人になることを拒否し、子供のままあり続けようとし言葉遊びをします。そのシーンが特に印象的で、監督自身もこのシーンについて言明していました。『彼は彼自身、アハロンであろうとするのです。』

最後にベルグマン監督は『観客のみなさんで想像力を働かせてほしい』とエンディングについてコメントされていました。澄み切った空気に包まれたエンディング。個人的にはアハロンの心象風景とかぶって見えてしまいましたが、あなたならどう想像しますか?

文責:ホームページチーム レイチェル

« 第3回東京国際映画祭7日目 | トップページ | 『サラの鍵』(ELLE S'APPELAIT SARAH) »

映画祭関連」カテゴリの記事