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間もなく終了!『ゆめのほとり─認知症グループホーム 福寿荘─』『妻の病─レビー小体型認知症─』舞台挨拶レポートのご紹介

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞご贔屓くださいますようお願い申し上げます。
 





さて、現在上映中の『ゆめのほとり─認知症グループホーム  福寿荘─』『妻の病─レビー小体型認知症─、各作品初日の初回上映終了後に演出をされた伊勢真一監督による舞台挨拶を行いました。ゆっくりと丁寧にお話される様子は、対象にじっくりと寄り添って創られた伊勢監督の作品を思い起こしました。舞台挨拶の様子を少しお伝えします。 



※映画の内容に一部触れているところもございます※  



『妻の病─レビー小体型認知症─上映後

Tsumanoyamai                                                © いせフィルム





◎制作のキッカケ

映画館へ向かうためにタクシーに乗ったら、タクシーの運転手さんが『妻の病』ゆめのほとり』のことを知っていて。この映画館にも時々来るそうなんですけども。
観ようと思ってました”なんて言われて、ちょっと気分を良くして来ました(笑)本当に朝一番から来ていただきありがとうございました。

……『奈緒ちゃん』という知的障害のある姪っ子の映画を創って、それが1995年ぐらいに完成しました。それを観たこの映画の石本さんと、細谷さんという小児科のお医者さんが小児がんのドキュメンタリーの記録を創りたい、『奈緒ちゃん』のような長い時間をかけた記録が撮れる人にお願いしたいと思われて。“映画の出来よりもただ長い時間が撮れるというだけで僕を選んだんですか?”って聞いたら“そんなことはありません”って言ってたけど(笑)
それも10年間かかって『風のかたち─小児がんと仲間たちの10年─っていう映画になりました。それで、その10年間かかって撮影している最中に、石本さんの奥さんが若年性の認知症ということになって。その頃から、折に触れ四国に通って小児がんのこととは別に撮り始めました。

 

 

◎友人たちへの応援歌

 

本格的に撮影に入ったのは、『風のかたち』が完成して、しばらくして、弥生さんの症状が少し進行してからです。
進行することで…なんて言うんでしょう。穏やかになるという感じになって。弥生さんが穏やかになることと比例して石本さんやまわりの方もとても穏やかになって。昔のことも含めて記録することで、きっと次の人たちの何らかの力になるんじゃないかっていうことで石本さんも決心されて。


Photo_2

前に自分が小児がんの子供たちに、カメラの前で自分の言葉で自分の体験を語ることがその次につながるんだって説得してくれていたわけです。
それを自分の時に逃げるわけにはいかないというようなことをおっしゃって。それで、石本さん弥生さんが、今日観ていただいた形で自分たちのことをさらけ出してくれた。それでできた映画だと思います。

僕にとっては、もちろん認知症の…今、社会的に関心のとても強くなっている認知症のドキュメンタリーっていう側面があるのは確かですけども、でもそれ以上に友人たちへの応援歌というか、本当によく頑張ったなぁって。
この映画に映っていない時代の時のことだとか、映画に映っている時でも、もっともっといろんなことがあってということを応援歌のような気持ちで創りたいって思って完成させたんです。
もしかしたら認知症のことやレビー小体型認知症のことや介護のことを、これを観て学ぼうっていう風に思った方にとっては、こういうものだと思わなかった、もっといろいろ教えてくれるものだと思ったと少し思うかもしれません。
でも僕は、入り口に立つというか、あんまり中に入って、今、世の中で新聞や週刊誌で取り上げられているような、聞いた風なことを言うっていうんじゃなくて、そのものというか、本当にこんな風に石本さん夫婦のような人たちが本当にたくさんいるっていうことを、この映画を通じて感じ取ってくれればいいかなって思ってます。

 







『ゆめのほとり─認知症グループホーム  福寿荘─上映後

Photo                                                © いせフィルム



 

◎こめた思い

 

2本とも僕の中ではつながっている映画です。実際に『妻の病』を撮り始めた時に、あんまり本を読んだりして知識として認知症のことを知るっていうことじゃなくて、実際に認知症の方の近くへ行くっていうような気持ちでドキュメンタリーを創ろうと思いました。

……テレビの番組なんかだとおそらくグループホームのこととか介護のこととか、認知症それ自体のことをきちんと説明してっていうことになるんだと思うんですけども。病気というよりもそこにいる、ある意味でとっても活き活きと生きている認知症のお年寄りたちを、しっかり観てもらうっていうのが、この映画をつくって完成させようと思った時の自分の気持ちでした。

 



◎福寿荘で行った試写会




実際に出来上がってすぐ、この撮影に協力してくれたおばあちゃんたちに向けて、福寿荘で特別試写会みたいなことをやったんです。そしたら、前の方にいたおばあちゃんが、スクリーンに向かって…撮影が終わった後すぐに、亡くなられたおばあちゃんが映画に映っていて、そのおばあちゃんに“なんだあんたここにいたんだ”ってスクリーンの方を指さして言ったことがすごく記憶に残っています。
それから半年後ぐらいの間に、今日観ていただいた映画の中に出ているお年寄りの6割ぐらいの方がいなくなってしまった…。“あんたここにいたの”って言っていた人も、今は映画の中にしかいない。

ターミナルの方々が多かったので、それは考えられることではあったんでしょうけど。でも出来上がってすごく嬉しそうにおばあちゃんたちも喜んでくれたので、創ってよかったなっていうのが気持ちの中に残っているんです。
これから映画を観てもらうことで、映画の中で生き続けるおばあちゃんたちが、映画の中でメッセージを送る、そのメッセージっていうのは、いわゆる認知症についてこうだとか、そういう理屈ではないんです。
歌を歌ったりいびきをしたり、うがいをしたり笑ったりケンカをしたりっていう、そういうひとりひとりのメッセージみたいなものを、観てもらうっていうのを、これから上映を通じて、そのことで受け止めてもらえたらいいなぁと思っています。







 

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伊勢真一監督、そしてご来場くださいました皆様、ありがとうございました!

 





監督は年末12月30日にも舞台挨拶にお越しくださいました~。舞台挨拶後、ロビーでお客様とお話されたりと気さくに応じて下さっておりました。
両作品とも1月8日(金)までで終了となります。ぜひぜひお越しくださいませ。







 

関連リンク:いせフィルム







 

文責:エヴァラーユ







 

 

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