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『いのちのかたち─画家・絵本作家 いせひでこ─』舞台挨拶レポート


『いのちのかたち─画家・絵本作家 いせひでこ─
11月20日(日)公開2日目に演出をされた伊勢真一監督による舞台挨拶を行いました。2回上映し、各回上映終了後に穏やかな語り口で、お話ししてくださいました。
舞台挨拶の様子を一部抜粋してお伝えします。
※映画の内容に触れているところもございます。

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◎じっと目をつぶる



(この作品は)“じっと目をつぶる”っていう言葉が最初と最後に出てくるんですけど、長田弘さんの詩のひとことなんです。
目をつぶったら何にも見えないじゃないかってドキュメンタリーの作り手として失格だって言われるかもしれないけども、目をつぶって何が見えてくるのかっていうのをずっとやってきたかなっていう気がずっと自分もしていて。とても共感して使ったんです。
僕の映画は眠くなるっていう友達がいて。最初に目をつぶるって書いてあるから、そのまま目をつぶっちゃったら…っていうやつもいましたけども(笑)





◎映画をつくるキッカケ


主人公もいせさんなので、血縁関係ですか?とよく言われるんですけど、夫婦でも親子でも兄弟でもない(笑)友達です。

『風のかたち─小児がんと仲間たちの10年─
っていう小児がんの子供たちの映画をつくった時に、聖路加国際病院の小児科の病棟にひでこさんの絵があり、その絵をとっても僕は気に入って。映画ができた時に、ひでこさんの絵をチラシやポスターで使わせていただくっていうようなことがありました。それから僕の作品をひでこさんが観に来るし、僕も個展とかのぞかせてもらうようになりました。
Photo
この映画自体はそういう友達関係からなんですが、この前に『傍(かたわら)~3月11日からの
旅~という震災の記録を僕はつくりまして。
舞台は今日観ていただいたところと同じ宮城の亘理町の吉田浜というところと福島の飯舘。
その映画を観たひでこさんが映画を撮影した場所へ行きたいっていうことで訪ねて、ある意味もう一つの主人公、クロマツの倒木に出会うということがあって。
すごい木と出会った”という話を僕にすごく興奮して連絡してきてくれて。その次のスケッチから一緒について行って、結局3年ぐらいそのスケッチと創作をずっと追うというようなことで出来上がった作品です。
震災の記録っていうことよりも5年半経ってそういう中で、3.11のことが何を語りかけているんだろうかっていうことに、もちろんひでこさん、僕も耳を澄ませるっていう気持ちでつくりました。





◎3.11のとらえ方


マスメディア的にいうと3月11日の前後以外はあまり震災のことを取り上げないっていうのがここのところずっと続いてますから、なんで今頃?という風に思うかもしれません。
でもご存知の方も多いと思うんですけれども、むしろその時以上にいろんな苦しみというか被災地の、特に福島などの状況は本当に厳しいわけで。
メディアが取り上げる、取り上げないの問題ではないっていう風に思って。
お客さん来なくてもいいからつくるぞ”みたいな(笑)でも来ないとやっぱりまずいわけで(笑)なんとか人に観てもらいたいと思っています。


震災の記録っていうと、ちょっと身構えてしまうかもしれません。
けれど…どんなこともそうなんですが…それは社会的な事件であると同時に、ある意味で文化的なって言ったらおかしいかもしれないけども、絵が好きな人はひとつの絵というところからいろんなことを考えるし、絵本が好きな人は絵本っていうところから考えるしっていうことがひでこさんを通じて、むしろ逆に、テレビのニュースとかそういうことの中でしか震災のことを受け止めていない人に、そういうことではなくて、もっと身近なかたちで受け止めてもらえるようになればいいかなって思っています。


起きたころからすごく思っていたんですけど、もちろんメディアは情報を流すのが役割だから、情報を流すんだけれども、情報っていうことだけでは伝えられない。
…言葉はちょっと気障に聞こえるかもしれないけれども、いなくなった人たちへ…吉田浜って地名自体がもうなくなってしまったりだとか…無くなった地名ってけっこうあるんですよね、被災地。戸籍上から無くなる。なぜかっていうと、そこにすごくたくさんの人が住んでいたんだけれど、全部流されてもうそこに住むのはやめようってことになって。海岸から少し離れたところへみんな住むようになって。そうすると吉田浜って地名は無くなる。
無くなると、映画の中で観ていただいた風景はそのまま残るんだけど、地名は無くなっていく。


もしかしたら、それは人の命だとか何かのこともすごくそんな風にして、自分たちの記憶から薄れていってしまう…ていうんですかね。
だから、この映画が直接的にそういうことをメッセージしているわけではないけれど。
ひでこさんは非常に子供たちに対する思いが強い絵本作家なんでそういうことを通じて、子供たちがたくさん出てくる映画ではないんだけれども、観終わった後に、しっかり自分たちが子供たちに何を残していくんだっていうようなこと含めて。

それこそ“絵本のようなドキュメンタリー”ってキャッチフレーズで書いたんだけれども、ドキュメンタリーっていうのを絵本のように読み解いていくともっともっといろんな、やわらかなというか豊かな読み解き方ができるんじゃないかなって思ってます。


ドキュメンタリーが苦手だっていう方もいらっしゃると思うんだけれども、そういう人にこそ観てもらいたい、そんな風に思っています。




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伊勢真一監督、ご来場くださいました皆さま、ありがとうございました!!



舞台挨拶後に、監督はパンフレットを買われた方へサインをしてくださいました。
絵本のようなドキュメンタリーと監督もおっしゃってましたが、パンフレットもまるで絵本のように絵が多く載っております。ぜひお手にとってご覧ください。


12月2日(金)
にて上映終了
です!足をお運びください。


















文責:エヴァラーユ











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