間もなく終了!『群青色の、とおり道』舞台挨拶レポートのご紹介
本日は立秋と暦の上ではなっておりますが、猛暑日続きでまだまだ夏の熱気ばかりが感じられる日々でございます。
そんな暑さ和らげてくれる爽やかな青春映画『群青色の、とおり道』では、夏休みということもあってか学生、またご家族でいらっしゃる方もお見受けします。
先月、7月25日(土)初日に行われた『群青色の、とおり道』の舞台挨拶の様子を少しお伝えします。当日は、台風の進路次第では天候が良くないかもしれないと危ぶまれましたが、快晴の中皆さまをお迎えすることができました!佐々部監督といえば、当館では『チルソクの夏』『カーテンコール』『夕凪の街 桜の国』…と上映してまいりました。
初回上映後に行われた舞台挨拶の様子をなるべく話された言葉のまま抜粋してお伝えします。司会は映画パーソナリティーの松岡ひとみさんです。
※作品の内容に触れているところもございます。※
◎作品の誕生秘話
松岡さん「どのようにして、この作品はこの世に出たんでしょうか。」
佐々部監督「この中に用務員さんに間違われる校長先生が、実は太田の市長で。あの市長さんが“太田が合併10周年で映画作りたい”ってツイッターでつぶやいたのを、プロデューサーで脚本を一緒にやった橋本っていう太田出身の若者が、市長に“僕に作らせて下さい”ってリツートして。それで市長が『監督は誰にするんだ?』って言うんで、彼は僕にまだ会ったことなかったんですけど、『佐々部にしたいと思います。』って言って。
それで、市長がたまたま映画好きな人で、群馬の人なので『半落ち』とか観ていてくれたんで。…それで、彼が僕に会いに来て。『脚本が面白ければやるし、脚本がつまらなければやらないよ。』って話したところからスタートしたんです。」
松岡さん「すごいですね。」
佐々部監督「『脚本は誰が書くの?』って言ったら『自分が書きたい。』って言うんで、『じゃあ今まで書いた脚本読ませて。』って言ったら、『これが初めてです。』っていうんで。(笑)でも、勇気がある若者だなって思って。2週間でこの脚本書いてきたんですね。けっこう、面白いかったんで、じゃあこれだったらやろうかって。でも僕が『その代わり相当直すぞ。』って言って。それで、直させてもらって。なので脚本も共同になってるんです。そうやって出来上がった映画です。
元々は合併10周年で、太田の市民ホールで1回上映するっていうところからがスタートだったんですけど、作るんだったら全国で観て欲しいから、全国レベルの映画にするからっていうことで。いろんなコネクションや自分の友達関係がつながってこれだけの俳優たちを集めて…。」
松岡さん「すごいメンバーで。」
佐々部監督「でも、9日間しか使ってません。(笑)」
松岡さん「それがちょっとびっくりしたのと、また、ねぷた祭りに合わせて…」
佐々部監督「市長のたったひとつのリクエストが、群馬で太田って街で一番大きな年中行事がこのねぷた祭りなんで、ねぷた祭りがクライマックスになるようなストーリーにして欲しいっていうのがリクエストだったんですね。」
松岡さん「だけど9日間でよく…お天気のこともありますし。」
佐々部監督「群馬なんで、(太田市は)熊谷の隣りなんで夏は暑い。毎日天気が良くて暑いと脅されていたんですけど、去年はこの撮影期間、9日間の内3日間晴れて、3日間雨で、3日間曇りで。途中からタイトルをもう『ネズミ色の、とおり道』に変えなきゃいけないかなくらい(笑)
後は、撮影の早坂くんが優秀で、一日だけ全部撮影が終わってから、空とか夕焼けだけ撮りに行ってくれて。それを編集でうまく挟みながら…。観てもらった印象としては、そんなに雨と曇りばっかりの映画になってないような映画にして…。」
松岡さん「そうですよ、今、お話を聞いてそんなイメージが、全然、ネズミ色と思わなかったなと。…ねぷた祭りとかって一発で決めていかないといけないわけじゃないですか、しかも期間も決まっていて…。」
佐々部監督「2日間って決まってて。雨が降ったら、雨で撮らなきゃいけないとか。幸い2日間とも、予報的には60%、70%予想の雨だったんですけど、2日ともぎりぎり天気がもって。僕たちが本体で撮影する時はメインがいて、2日間だけはカメラマンを2人更に応援で呼んで、2日間とにかくお前たち好きなように撮っていいぞって。」
松岡さん「本当にみんな活き活きとして、熱気が伝ってくるような…」
佐々部監督「2日目の最後、10時過ぎにお祭りが終わって、井上順さんが晴男なんですけど、『大丈夫、大丈夫。』って言って『お疲れ。』って帰ったとたん雨が降り出して。(笑)で、漣くんのラブシーンの時は、雨が止むのを待ちながら待ちながら…」
松岡さん「えー、そんな風に全然…気が付かせないですね。」
松岡さん「監督の映画っていうと必ずやっぱり歌がでてくる。今回もいろんな曲が出てきているんですけど。≪翼をください≫なんかは、監督が…」
佐々部監督「≪翼をください≫は僕が選曲しました。子供たちに歌わせるのはあれが良いかなと思ったりしたんです。≪牧場の朝≫も僕が選曲しました。脚本は≪浜辺の歌≫って書いてて。群馬って海がないのに≪浜辺の歌≫は変だろって言って。工場の社歌で、朝歌うなら元気な歌がいいって。脚本家はまるこおばあちゃんが死ぬシーンがあるから、あそこで≪浜辺の歌≫みたいな切ない曲をあてがきしているんだけど、元気な歌ほどああいう悲しいシーンはいいんだよって。」
松岡さん「ピッタリですよ。すごくよかったです。」
◎チームワークの良さ
佐々部監督「皆、仲良くなったんですね。特に家族4人。それから友達4人も本当になんかチームワークが良くて。伊嵜くんって、4人の友達グループの中で伊嵜くんだけ10歳くらい年上で。同級生やるの彼は大変だったんだけど。
終わってから、彼の家で飲み会やるからって僕、呼ばれて行ったら、あの若者たちが皆集まっていて。尚且つ、このパンフレットとかのスチールマンが伊嵜くんの奥さんなんですけど、写真家で。その彼女が料理を作ってくれて、皆でパーティーをやって。本当に仲良くなったんです。」
松岡さん「いいですね。その仲の良さっていうのが、昔のお友達で10年会ってないけどもすぐ時間が縮まってしまうっていう感じがすごくあって…。」
佐々部監督「よく9日間でこんなにうまくいったなと思うんですよ。」
◎パンフレットの別冊付録“エピソード0”について
佐々部監督「映画ではヨシくんが田舎に帰るとこから物語は始まるんですけど、実は脚本に東京の物語があったんですね。それを僕が、9日間で東京のロケはできないから、バサっと切っちゃったんですね。それで脚本家が悔しくて。(笑)
「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子さんが桐山漣くんの大ファンで、一回食事する機会があった時、酔っ払った勢いで僕が『漫画描いてよ。』って言ったら、『本編を描くと本編を汚しちゃうから。』って言って。それで脚本家の橋本くんが待ってましたとばかりに、『監督に切られちゃった前半があるんですけど、それを漫画にして下さい。』って言ったら、『だったら描ける。』って。この“エピソード0”っていう映画の始まる前のエピソードを20ページの漫画(別冊付録です)にしてくれて。
パンフレットの中身は僕が責任編集したんですね。普通はプロダクションノートっていう制作日誌は助監督さんとかプロデューサーが書くんですけど、8ページ僕が全部書いて。それを地元の新聞社に売り込んで2ヶ月間、8回連載もさせてもらって。それを別冊プレスしてこの中に。プロダクションノートとか書いて。本体が30ページ、漫画20ページのこれがなんと770円!」
松岡さん「何とかショッピングみたいになってましたけど(笑)二ノ宮さんすごいですね。よくぞ描いてくださった。」
佐々部監督「太田の初日まで来てくれましたし。」
松岡さん「そうですか~。きっと映画をご覧になって、桐山さんのファンであった彼女がやはり映画をすごく気に入って…。」
佐々部監督「おそらくもう6回くらい観てくれてます。」
…佐々部監督は、ご自身のサインと井上順さんのサイン入りパンフレットを会場のお客様にプレゼントしてくださいました~!また、舞台挨拶終了後、事前に書いて下さっていたサイン入りパンフレット(限定数でしたので、現在はございません。)に日付を入れるなど他のお客様とも交流されておりました。
来週には岡山県で次回作『種まく旅人3』の撮影に入られると話されておりました。ご活躍を楽しみにしております。
佐々部清監督、松岡ひとみさん、ありがとうございました。
そしてお暑い中、ご来場くださいました皆様、ありがとうございました!
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こちらの舞台挨拶の様子を※C2[シーツー]WEB版でご覧頂けます。
★こちらです→佐々部清監督『群青色の、とおり道』名古屋舞台挨拶
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また、「群青色の、とおり道」写真展を、映像とお茶が楽しめる映画ファン憩いの場、シアターカフェさんで開催中です♪(~8月23日(日)まで)
カフェご利用者の方は無料で観覧いただけます~。ぜひお立ち寄りください。
Theater Cafe (シアターカフェ)
HP:http://www.theatercafe.jp/
いよいよ、来週8月14日(金)にて上映終了です。ご来場をお待ちしております~。
関連リンク:「群青色の、とおり道」
C2[シーツー]WEB版
Theater Cafe( シアターカフェ)
文責:エヴァラーユ