二人日和

『二人日和』 出演・栗塚旭氏 インタビュー【2】

2biyori 『二人日和』で共演している藤村志保さんについて、栗塚さんはこう語ってくれました。「僕は新劇の出身、藤村さんは大映出身で、大々的にデビューされた女優さん。僕にとっては高嶺の花でしたね。(笑)例えるなら、草野球とプロ野球の選手くらいの差があった。だけど、昔、彼女が僕のいた劇団に稽古にきたことがあって、その頃を知っていたから『お久しぶり』といった感じで、撮影は和気あいあいとすすんでいったんですよ。」



藤村さん演じる、黒由千恵は難病のALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis: 筋萎縮性側索硬化症)に犯され、次第に身体の自由がきかなくなっていきます。そんな千恵をそっと支えるのが、栗塚さん演じる夫の黒由玄。神祇装束司という職人気質の夫は、あまり多くを語りませんが、二人のまわりには言葉では言い表せない独特の雰囲気が漂っています。「映画をみるたびに永年連れ添っている本物の夫婦のように見えるんですよ。夫婦として『みせる』っていうのはあるけれど、『みえる』というのとはまたべつ。45年もの永い年月を共に過ごしてきた夫婦に『みえる』のはいいでしょ。」と、しみじみ話してくれた。



『二人日和』は、野村惠一監督、藤村志保さん、そして市田ひろみさんらの共通の知人でもある内藤昭氏を励ますために立ち上がった企画。内藤氏も実はALS患者の一人なのです。『映画界の大先輩である内藤さんを少しでも励ませたら・・・』という撮影所仲間の結束により誕生した本作ですが、当初、なかなか夫役が決まらなかったそうです。



kurizuka-2-3 「夫を演じるいい俳優は沢山いたと思いますよ。ただ、監督の目からみて自分のイメージする俳優が見つからなかったみたいでね。目垢がついていないというか、新鮮さを求めて僕に白羽の矢がたったんじゃないかな。」



ある日、栗塚さんのもとに一本の電話がかかってきたそうです。野村監督からでした。「藤村さん主演映画の夫役を探している」という内容。「僕は時代劇を長い間やっていたから、はじめはメイキャップなしにカメラの前に立つことが怖くてね。一番最初に撮影した湧き水を汲みにいくシーンも、※ラッシュをみれなかったくらいで。(笑)それに、実年齢よりも上の役を演じられるだろうか、という不安もありましたよ。」と、撮影当初の心境を話してくれました。



※ラッシュ・・・ 撮影後、すぐに焼き付けた未編集のフィルムのこと。このフィルムを見て撮影のよしあしを判断し、再度撮りなおす場合もある。



kurizuka-2-2 本作では、老夫婦に対比するように若いカップルが登場します。リハビリのため、妻に手品を教えるお願いをした大学生とその恋人。手品を藤村さんに教えているのは、賀集利樹さん。実際にはサッカー青年だそうですが、劇中では遺伝子研究の傍ら手品を披露する好青年を演じています。 「彼はサッカー青年で、すらっと身長も高くていい男でした。手品で小さなボールを使うし、サッカーでもボールを使う、とにかく大小の違いはあるけどボールの扱いは上手でしたよ。(笑)手品も短期間によく勉強して、ショーに立ったときには本物のマジシャンにみえましたね。」



そして、彼の恋人役を演じるのが山内明日さん。撮影時は16歳だったそうです。 「高校生なのにすごく大人っぽくってね、まるで彼よりも年上のお姉さんにみえる時がありました。彼女はこの先大成すると思いますね。光るものがあるし、活躍してもらいたい。僕らから賀集さんや山内さんのおような若い二人にバトンタッチしていかなくてはいけないね」と、共演者について語ってくれました。




『二人日和』は名演小劇場リニューアル3周年記念作品の一つ。老夫婦の愛のストーリーは、あまり大きな展開はなく淡々と時間が流れていきます。映画をご覧になっていろいろな感想を持つ方がいらっしゃると思いますが、いつかこの夫婦の関係を理解できる時がくるのではないでしょうか?



kurizuka-2-1 本作の中では、京都の人が普段なじみのある場所やものが沢山登場します。町家や街路、鴨川に天神さんのあわもちなど、ささやかだけど京都の伝統と日常とを垣間みることができます。

今回は、そんな京都で素敵な時間を過ごしていただこうと、名演小劇場では3周年記念キャンペーンとして1組2名様に名古屋ー京都間の往復新幹線チケットプレゼントをご用意しています。是非、貴方も普段味わうことのない街なみを堪能してください。ご応募は2月24日(金)まで受け付けております。皆様のご来場を、劇場にてお待ちしております。




関連リンク:
『二人日和』 公式サイト



文責:ホームページチーム・レイチェル

『二人日和』 出演・栗塚旭氏 インタビュー【1】

2biyori名演小劇場での公開初日。京都の街には雪が舞っていたそうです。栗塚さんはこの日の朝、京都のご自宅を出発した後、新幹線で名古屋にいらっしゃいました。そして、名演小劇場で5回もの舞台挨拶を行ってくれました。



映画の中では妻を想い、多くを語らない頑固な職人気質の黒由を演じた栗塚旭さん。しかし、この日はフレンドリーでお話好きなベテラン俳優の姿を見せてくれました。素敵な笑顔で多くのお客様に自ら歩みより、話しかけていらっしゃった姿は印象的です。そんな栗塚さんは、多くの物事にこだわりがあるご様子。


「家には昔ながらのカチカチってチャンネルをまわすタイプのテレビしかないんですよ。しかもNHKしか映らない。(笑)ビデオも昔出回っていたベータ版のものしかない。いつでも買い換えられるんだけど、やっぱりテレビをつけると、生で放送しているものがあるのだから、わざわざビデオとかで他のものを観ようとは思わないんだよね。役作りのために資料としてだったら、いくらでも観ますけど」と語ってくれた。



kurizuka1-3 そんな栗塚さんは、週に3回は映画館に足を運ぶそう。「やはり映画というものは、ある程度の大きさのあるスクリーンで観て、知らない人たちが暗闇に集まって、一緒に時間を共有するってことに意味があるんじゃないかな」。確かに、この日も既に30回以上は観ている『二人日和』を名演小劇場のスクリーンで、お客様と一緒にご覧になっていました。「映画は映画館のスクリーンでみる」、という栗塚さんのこだわりが伺えます。



「名演小劇場はこれまで『二人日和』上映してきた映画館の中では、一番小さな劇場かもしれないですね。京都シネマも小さいけれど、ここはこじんまりしてアットホームな雰囲気があります。ロビーでは、お茶や飴のサービスもあるし。いい劇場だね(笑)」と笑いながら、劇場の印象を伝えてくれました。



kurizuka1-2 お客様と一緒に映画をご覧になったときのことは、「もう何度も『二人日和』は観ているんだけど、観るたびに新しい発見があってね。目をつぶって音だけきいたりもしてます。僕はね、映画もみているけれどお客さんもみているんですよ。今日は、隣にいた男性が最初はぎゅっと腕組みして映画を観ていたんだけど、最後には腕をほどいて涙を流していてね。その姿をみたときには、感無量でした。ありがとう、と言いたい」。同じスクリーンで、一時の時間を共有する。栗塚さん、そしてお客様にとってこの日の上映は思い出に残るものになったことでしょう。まさしく「映画館で映画をみる」ことによって、感じられる何かがあったのかもしれません。



2biyori2 本作では、栗塚さんが神社に水を汲みにいくシーンが何度か登場します。「まず最初に汲んできた水を神棚にあげてね、残った水で妻と珈琲を飲む。この珈琲を飲むシーンだけで『二人日和』のことはもう十分語られているんですよ。」水を汲みに行く場所は、梨木神社という京都の3名水のひとつだそうです。このシーンについて栗塚さんは「映画の中で特に印象に残っている場面」と教えてくれました。「水を汲みにいく老人は、何かの象徴のように思えて・・・それが何かはまだ僕にはわからないのだけどね。野村監督も執拗なくらいにこのシーンを撮っているでしょ、やはりこのシーンは映画の核になるような何かがあるように思える」と静かな口調で語る姿は、劇中に登場する黒由そのものでした。



kurizuka1-1 次回は、インタビュー第二弾として共演者の方たちの印象などについてお届けします。どうぞお楽しみに!






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『二人日和』 公式サイト



文責:ホームページチーム・レイチェル

『二人日和』栗塚旭氏 初日(1/28)舞台挨拶決定!

2biyori 古都・京都を舞台に、ゆっくりと時間の流れる老夫婦の姿を描いた『二人日和』が、いよいよ1月28日(土)より名演小劇場にて上映される。名演小劇場リニューアル3周年記念作品でもある本作は、野村惠一監督のもと栗塚旭、藤村志保らベテラン俳優陣が熱演している渾身の一作だ。


神祇装束司の誇り高い職人、また病に犯された妻を献身的に看病する夫を演じている栗塚旭氏が、なんと公開初日に舞台挨拶に立ってくれることが決定!しかも、当日は4回も舞台挨拶を行ってくれるというのだ。



【舞台挨拶スケジュール 】
1月28日(土)
1回目:11:50  2回目:12:10  3回目:14:20  4回目:16:30
※前日の予約などはできません。



貴方もしっとりとした大人の恋愛模様を味わってみませんか?
どうぞ公開初日をお楽しみに!




kurizuka

栗塚旭 DATA:


1937年5月9日北海道・札幌市生まれ。銀幕の世界に憧れ、15歳の時に兄のいる京都へ。1958年、毛利菊枝が主宰する劇団「くるみ座」に入団。舞台を中心に活動し、演技に磨きをかける。1965年NET(現テレビ朝日)で放送されたテレビ時代劇シリーズ「新選組血風録」(原作:司馬遼太郎)に土方歳三役で出演。鮮やかな剣さばきや勇姿にお茶の間は釘付けとなり、京都市民映画祭テレビ主演男優受賞。同年、松竹映画『おはなはん』で映画デビュー。日本映画新人賞受賞。その後、「燃えよ剣」(70年)でも再び土方役にのぞみ、一躍スターダムにのぼりつめる。
近年は、京都を中心に俳優生活を送っていたが、04年に三谷幸喜脚本で話題となったNHK大河ドラマ「新撰組!」に出演。土方歳三の長兄・盲目の土方為次郎を演じ、往年のファンを喜ばせた。




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文責:ホームページチーム・レイチェル

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